第33回(平成28年度)麦『新人賞』   星 深雪

平成28年度の新人賞が決定しました。 初春    星 深雪 初春の電車が停まる常の位置 元日や佛はなべて暗き座に 春立つや箸の短い駅弁当 ルーペよりはみ出す活字陽炎える 山の子の瞳涼しき種を蒔く 郭公の木に風が寄り雲が寄り 風薫る隣家にピアノ調律師 短夜の夢のあとさき見失う 雲一つ泳がせ枇杷の収穫期 朝市の地べた半畳梅雨明ける…

続きを読む

第61回(平成28年度)麦『作家賞』   八木邦夫

★平成28年度の麦『作家賞』が決定しました。 かわいそうなぞう  八木邦夫 読初の或る朝虫になる話 棟上げの槌音野火を走らせる 翼をくださいと歌いて卒業す 囀りやくるりくるりと馬の耳 畑中の道無き墓域揚雲雀 種蒔いて長子上りの汽車に乗る ツバメ印の徳用燐寸啄木忌 燕の巣客の途絶えぬコロッケ屋 ローマ字の表札木香薔薇の家 汗の子の太き息して乳を吸う 一族の一挙に…

続きを読む

俳句雑誌『麦』2017年7月号(通巻775号)

『麦』2017年7月号 万朶の桜  綾野南志(5句)   今生の終の桜を見て飽かず ★特別作品 肺句より俳句へ  石井英彦(15句)   右脳に虹張って碁は戦略図 ★麦の俳句(地熱集より綾野南志選)   春はあけぼの胎内にいる心地  梅木俊平 ★踏生集(同人自選作品) ★…

続きを読む