第63回(平成30年度)麦『作家賞』  中山宙虫

平成30年度の麦作家賞が決定しました。 詩となるための雨  中山宙虫 和紙を干す村のミモザがやわらかい なぜ石を持ったのだろう花いばら 春の雨日々方舟を待つベンチ 好きになれない嫌になれない花の終り 馬刀貝を売る青空は鳶のもの 池を巡る五月詩となるための雨 梅雨の月終バス証券会社前 浜木綿や僕の背びれが打ちあがる 負け癖のついた花火に寝…

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第35回(平成30年度)麦『新人賞』   足立町子

平成30年度の新人賞が決定しました。 母の縄電車  足立町子 何気ない終焉があり木の実降る 母の死や天狼へゆく縄電車 柿落葉掃けばふるさと空っぽに 葬送に少し遅れて赤とんぼ 立冬の覗きからくりよりマリア 冬の星殖やして読経始まりぬ 老いてゆく十一月の遊園地 鍵穴が少し歪んで冬の月 母のいた確かな記憶冬のペガサス 雑炊に母が…

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俳句雑誌『麦』2019年7月号(通巻799号)

『麦』2019年7月号 ★「えごの花」対馬康子(5句) 人間か人か五月の小舟漕ぐ ★特別作品  「折折」  丸地正子(15句) 流星群坂の途中の凸面鏡 ★地熱深耕  地熱集より対馬康子選 鳥帰る明朝体は凛と立ち    笠井亞子 言訳となり雨垂れとなり朧   田中朋子  村が消えそう陽炎に水をやる  中山宙虫 ★踏生集  同人自…

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